【感想】『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』 小説版もサイコー

鬼才が挑むロアナプラ異聞! ロックこと岡島緑郎は、日本の商社マンだったが、南シナ海へ出張中に海賊まがいの運び屋〔ラグーン商会〕のメンツに誘拐された。あてにしていた会社にあっさり見捨てられた岡島は、一念発起して改造魚雷艇ブラック・ラグーン号〕の見習い水夫に転職。ダッチ、レヴィ、ベニーらの仲間に加わり、アジアの海を駆けめぐることに……。 血と硝煙の匂い漂う無法者の街ロアナプラを舞台に、手に負えぬ野獣どもが暴れ回る冒険大活劇、「サンデーGX」連載作を、大ヒットPCゲーム『FATE/stay night』の外伝小説『Fate/Zero』を執筆した著者がオリジナルストーリーで小説化! 奇跡の「最凶」コラボによる“ロアナプラ異聞”……。 香港マフィア張の暗殺を目論む刺客たちが何者かによってロアナプラに放たれた! 図らずも、彼らに手を貸す形となったラグーン商会は、張と敵対する意思がないことを示すため、刺客たちを狩り出す羽目に……! 今、ロアナプラに史上“最悪”な刺客どもが上陸する! 掛け値なしの超ハードGUNアクション!!

著者:虚淵玄広江礼威

メディア:アニメ化、OVA

 

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』ガガガ文庫のここがポイント

小説版について

小説版は2008年と2011年にガガガ文庫より出版されています。いずれずも虚淵玄(うろぶち・げん)により執筆されました。ご存知の方も多いと思いますが、虚淵玄シナリオライターとしてゲームの分野で活躍してきました。 その後2011年には『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を執筆したことで一躍有名になっています。 もちろん知っていました。本当に。さらに言うと名前の読み方がわかりませんという人はたくさんいるはず。

バラライカの物語

まず最初にバラライカの挿絵がカラーページであります。挿絵が他にもあるのですが、 ファンには嬉しい。そしてバラライカがまだパブロヴナ大尉だったころの話もありました。 とても悲しい話だけど、バラライカの思いが少し垣間見えた気がします。もちろん、やっぱり最強に 怖い存在というのは小説版でも同じだ。調子にのって何か勘違いして近づくと……

謎のキャラ

黒装束の謎の人物が登場。黒衣の男は一体何者でしょうか。そしてどこへいくのでしょうか。 シェンホア「ですだよ姉ちゃん」とも互角、もしくはそれ以上にやりあう、なかなかの使い手です。 というかかなりの手練れなのでした。登場を楽しみにしましょう。

対談も見逃せない

虚淵玄広江礼威との対談が巻末にあるのですが、企画段階の話やお互いの作品を意識していたことなどなど 裏話があるので事前にこの小説で仕入れおくと、ドヤ顔ができるかもしれない。たぶん。 漫画家とシナリオライターと違いはあれど、ライバル心もあり、リスペクトしていたりと 物語をつくる者同士が盛り上がっている様子だ。

ブラック・ラグーン2 罪深き魔術師の哀歌』ガガガ文庫のここがポイント

待望のブラック・ラグーン、外伝が登場! ロアナプラにふらりと現れた、場違いな米・大富豪の娘・トリシア…彼女が運命に導かれるように「イエロー・フラッグ」へと足を踏み入れてしまったから、さあ大変! トリシアを巡って、米CIAや中国マフィアが動きだし、ラグーン商会の面々も、首を突っ込む事態に。さらには、ロアナプラの謎男・ロットンの怪行動によって、事件は複雑化の一途。 それぞれの陣営の思惑が絡み合い、ロアナプラの街に血煙が舞う! 果たして、シェンホアの刀はうなり、ソーヤーのチェーンソーを振りかざされ、レヴィのソード・カトラスも轟音を響かせる! そして、ロックは…なんと、暴力教会のCIA工作員・エダと、マジで命のやりとりをせざるをえない事態に!?  混沌とする状況を打破できるのは、果たして一体誰なのか? ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

濃い人たちが揃いました。

エダ、シェンホア、ロットン、ソーヤなど濃いメンバーが盛りだくさんで それぞれに見せ場があり楽しめます。濃すぎるキャラと奇想天外な行動で物語はあらぬ方向へ進みます。 もう戻ってこれない場所へたどり着いて、びっくりするのですが、なんでもありのロアナプラならOKでしょう。

原作ファンも大いに嬉しい

各キャラたちのそれぞれの視点で語る今回の小説版。エダはもちろん、シェンホアやロットン、ソーヤの 個性が発揮される物語を楽しみましょう。悲壮感の漂う話はほとんど無く、とことん騒いでいて楽しめます。 これもロアナプラの懐の深さ。そして彼も登場します。

おわりに

原作ファンも楽しめるブラック・ラグーン 小説版でした。2冊は一気に読むことをおすすめします。 2冊目はページ数が若干少ないので、2冊とはいえさらっと読めます。 実は意外なところで繋がっている二つの物語。そこで繋がってもどうしようと言うのか。 いや、それでこそブラック・ラグーンであり、ロアナプラの深さ。まぁ繋がりといってもちょっとだけだけど、 思わずニヤリという感じでした。ということで、この2冊は順番に読んだ方がより楽しめます。