【感想】何がおこったのか、何がおこるのか『その女アレックス』
誘拐事件が発生した。「おまえが死ぬのを見たい」男はそう言って女を監禁したのだ。 身動き取れない女アレックスはどんどん衰弱していく。なんとか脱出を試みるが…… 物語はアレックスの視点と誘拐事件の犯人を追うヴェルーヴェン警部の視点で進んでいく。
著者:ピエール・ルメートル
翻訳:橘明美
受賞:英国推理作家協会 インターナショナル・ダガー賞など
作品:悲しみのイレーヌ、傷だらけのカミーユ
メディア:映画化決定
『その女アレックス』のここがポイント
誘拐事件から全てが始まる。
誘拐事件が発生するが、目撃情報は曖昧で女が車で拉致された以外の確かなことは何一つわからない。 刑事たちの捜査は後手に回らざるをえない。しかも、他の事件とはっきり違う点は 被害者がまだ生きているというところだ。ここから全てがはじまる。
カミーユ
誘拐事件の捜査を担当する刑事のカミーユはとっつきにくい。 誰からも好かれるタイプではなく、自分でもその性格をよく把握している。 そんな彼だが今回の事件を通じて自分の過去と向き合っていき、 そして次第に周りの人間との関係も少しずつかわっていく。
アレックス
彼女は孤独な女だ。そんな彼女はある日拉致され、監禁されてしまう。どうして私なの?
史上初の6冠達成
『このミステリーがすごい!2015」海外編1位を含め 以下のように多く国内ミステリーランキングで1位を獲得。 また、英国・フランスで受賞している。
- 「このミステリーがすごい!2015」の海外部門第1位
- 「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第1位
- 『ハヤカワ ミステリマガジン』「ミステリが読みたい!」海外編第1位
- 「IN☆POCKET文庫翻訳ミステリー・ベスト10」第1位、
- 英国の「英国推理作家協会 インターナショナル・ダガー賞」
- フランスの「リーヴル・ド・ポッシュ読書賞」
まとめ
読者は展開される物語によって何度も何度も翻弄される。 中には眉をひそめるような描写もあるので、苦手な人もいるだろう。 しかし、それでも手にとって確かめてほしい。 何がおこったのか、何がおこるのか