【感想】武器商人と少年兵と旅『ヨルムンガンド』

武器商人のココの私設軍隊に入った少年兵のヨナ。ヨナは両親を戦争で失ったこともあり、武器を憎んでいている。私設軍隊にはクセがあるが、ツワモノ揃いのメンバーだ。そしてヨナ少年とココ達との旅がはじまる。

著者:高橋慶太郎

作品:デストロ246など

メディア:アニメ化

ヨルムンガンド』のここがポイント

武器商人と少年兵

まずは主役が武器商人と少年兵という設定がぐっとくる。戦争の道具を売っている人と笑うことのない少年兵。この時点で期待が一気に膨らむ。もちろん他の私設軍隊のメンバーも強くてクセのある人物達ばかりで物語を盛り上げてくれる。

女性が強くてかっこいい

女性陣はココ以外は戦闘のプロがほとんどだ。圧倒的な戦闘力で驚かされる。腹筋も圧倒的

白でも黒でもない

武器商人が善なわけもなく、かといってただ悪というわけでもない。武器商人は誰もいかない灰色の道をただ進んでいく。また、少年兵も同じく善とはいえず、彼女と彼の灰色の道はそれぞれどこへ向かい、どこで交差するのか。是非その目で確認してほしい。

考えさせられる言葉

紛争地帯などで武器を商品として扱うだけに、戦闘はごくごく当然のようにおこる日常の風景。死と隣り合わせの生活。商売が作戦がどれだけ上手くいってもたった一発の弾丸にあたれば、それでおしまいだ。みんなそれをわかってる。そんな彼女達のセリフは考えさせられるものが多くある。 本書を手にとって数々の言葉に出会ってほしい。

「銃を捨てられるか?」

「無理だね、君は一生武器を捨てられない。ソイツに対する憎しみは誰よりも強いが、ソイツを持つことの頼もしさを誰よりも知っているから。」

「最も多く銃をもっている人間は?」

「軍人だ。」

「残念外れ。民間人だ。なんと全世界の中の60%を一般市民が握っている。10人に1人が武装している。……」

コミカルなシーン

コメディシーンが単なる休憩や息継ぎではなく、しっかりと笑えるシーンが描かれている。かわいらしい話もあるので楽しみしておこう。

まとめ

迫力ある絵とセリフに圧倒され、あっとう間に読み終えてしまう。テーマが重いがコミカルなシーンも随所にあるので安心してほしい。また、アニメ化しているのでそちらもおすすめだ。

[まとめ買い] ヨルムンガンド(サンデーGXコミックス