【感想】一緒に旅をしよう筒井康隆『旅のラゴス』

『旅のラゴス』あらすじ

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

著者:筒井 康隆

『旅のラゴス』のここがポイント

制限はあるが超能力を獲得している世界

瞬間移動や空中浮遊、壁抜けなど不思議な能力がある世界でラゴスは旅をする。 瞬間移動ができれば、旅はすぐに終わると思うだろう。そこはいろいろと制限があるので 安心してほしい。どうやら好き勝手やれるほどの強力な超能力は無い。好きな子と両思いになるとか、 透明人間になって……とかは絶対できないようになっているので残念がってほしい。

旅をしているように出会いを楽しもう

ラゴスは旅をする。それはもう気の遠くなるような距離の移動をやってのける。 新しい土地にいけば、新しい習慣や風習が観れるので楽しい。 旅につきものの出会いもあり、別れもある。ラゴスと一緒に旅を楽しむつもりで 読むのがおすすめ。

モテる

ラゴスモテる。

決して旅をやめない

旅によって良い出会いが何度もあり、ラゴスはその高い能力と知識を活かして 立ち寄った土地で活躍し、そして高い地位を得ることある また、旅の道中で襲われて奴隷となることもある。それでも ラゴスのその能力によって危機を脱して、旅を続ける。 そして、またまた高い地位をえて平和な暮らす時期もあるが、それでも旅を続けるラゴス。 旅好きだ。

おわりに

人生のほとんどを旅している。この本を通じて旅を味わえる、ひとりの 男の人生を一緒に生きることができる本当に不思議な体験。 旅好きな人におすすめ!旅をしたくなった時にも是非!