【感想】5万年前の遺体が月面でみつかった。『星を継ぐもの』

月面の調査を行っている時に、遺体を発見する。それは赤い宇宙服を着ていた。各国に確認するも該当する行方不明者はいない。その後の調査で、死後5万年は経過していることがわかった。 謎の遺体は「チャーリー」と名付けられ、調査が続けれる。一体彼はどこから来た何者だろうか。 ジェイムズ・P・ホーガンによるSF小説の傑作。

著者:ジェイムズ・P・ホーガン

翻訳: 池 央耿

『星を継ぐもの』のここがポイント

SF大作 x 本格ミステリ

月面で発見された宇宙服の遺体は何者なのかという謎がきっかけで物語は 進んでいきます。数々の登場人物と主人公がその謎を解こうと懸命に調査をし、自分の仮説を繰り広げます。 ひとつ謎が溶けたかに見えると新たな発見によって、仮説が覆されていく。舞台はSFだが、本格ミステリとしても楽しめる作品。

チャーリーは何者

月面で発見された遺体は調査により完全に人間と同じ生物ということがわかった。なぜ5万年前の人類が月へ行けたのか? あるいは別の星で人間と同じ生物が進化を遂げたのか。彼はなぜ一人なのか。 また、彼の所持品からも調査が行われる。手帳や携帯食料、バッテリパックなどだ。いずれも現在の地球のものとは異なっている。調べるほどに深まっていく謎。

宇宙船の発見

チャーリーの調査を進めている中、木星の衛星ガニメデで宇宙船が発見される。そこには人間とは異なる進化を遂げた宇宙人の遺体が発見された。数々の仮説が一気に覆される。ガニメデの宇宙船は一体何なのか。また、チャーリーとの関係性は?これだけの話をどうやって終わるのだろうかと心配になったくらい謎が次々やってくる。

おわりに

1977年に出版されたジェイムズ・P・ホーガンのデビュー作だ。人類の謎に迫る作品。 数々の謎解きによりワクワクして読ませてくれた。続編がある作品だが、 『星を継ぐもの』だけ読んでも物語は十分に楽しめる。 SFだが本格ミステリでもあるので、是非ミステリ好きの人にも読んでほしい。